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物流業界の未来を語る
2024年問題への対応と業務効率化の取り組み

物流業界全般

今回の対談では、物流業界の2024年問題に対する取り組みと、業務効率化の重要性について、野村不動産の宮地伸史郎氏とLOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長が詳細に語り合いました。物流業界全体の効率化と労働環境の改善が、今後の課題であり、成長の鍵となることが強調されました。また、デベロッパーとしての役割や、デジタルツールの導入支援が重要であることも明確になりました。

対談者:
-宮地伸史郎氏(野村不動産物流事業部)
-赤澤裕介氏(LOGISTICS TODAY編集長)

2024年問題への取り組み

赤澤氏

本日は、野村不動産の物流事業部から宮地伸史郎さんをお招きしています。2024年問題について、様々なテーマを掘り下げてお話いただきたいと思います。まず、2024年問題に対する野村不動産の取り組みについて教えてください。

宮地氏

当社の営業担当者から話を聞くと、商談中に24年問題について話が出ることがあるようです。特に大手荷主・物流企業で、24年問題への具体的な取り組みについて情報交換する機会も増えてきています。

赤澤氏

24年問題はトラックドライバーの長時間労働を改善する取り組みが柱となりますが、荷主企業の協力が欠かせません。この問題に対し、荷主企業や物流企業、それらの業界団体が自主行動計画を定めつつあります。これらの動きについてお客様と話すケースはありますか?

自主行動計画と荷主企業の役割

宮地氏

「自主行動計画」という言葉自体が直接出てくることはそう多くはありませんが、待機時間の削減や作業の効率化など、24年問題への対応策として政府指針に登場する単語には多く触れるようになってきたと思います。物流施設の開発者として、効率化のためのサポートをどのように行うかが重要なテーマになっていると言えます。

赤澤氏

荷主による自主行動計画の策定状況について、どのように見ていますか。

宮地氏

業界団体が自主行動計画のモデルを示し、各企業がそれを基に自社の計画を策定して行く流れと聞いております。現在はどちらかと言えば、業界団体が中心に計画が策定されているそうですが、これからは個別の企業による取り組みが加速されると期待されますので、施設側からそうした部分を支えるプレーヤーとしてデベの役割も小さくないのではないでしょうか。

赤澤氏

24年問題以降、荷主企業と物流企業の役割に変化があるとすればどのようなものになると思われますか。

宮地氏

荷主企業はサプライチェーン全体を見直し、下請け構造の改善にも取り組む必要があるのだと考えます。また発荷主・着荷主が連携して待機時間の削減や多重下請け構造の改善に取り組むことが求められる訳ですが、結局のところは、配送や荷物の受け渡し等、その両者の接点となる作業の効率化を協調して実施することがそうした課題解決の一助になると考えられます。

デベロッパーとしての役割と効率化の取り組み

赤澤氏

物流施設デベロッパーの役割についてはいかがでしょうか?

宮地氏

デベロッパーとしては、テナント企業の業務効率化をサポートすることが重要です。デジタルツールの導入支援や、物流施設の最適化を通じて、業務改善を後押しします。効率化のためのインフラを提供することが我々の役割です。

赤澤氏

LOGISTICS TODAYの調査によると、待機時間の削減や効率化については、商慣習の改善が重要であるという結果が出ています。具体的にはどのような取り組みが必要になると思われますか。

宮地氏

商慣習の改善や効率化も必要です。例えば、庫内作業の効率化やデジタルツールの導入がその一環です。待機時間の削減には、物流プロセス全体の見直しが重要です。これにより、トラックドライバーの労働環境も改善されるのではないかと思うのです。

赤澤氏

24年問題がサプライチェーン全体の見直しに取り組むいい機会になるという指摘も聞かれますね。

宮地氏

下請け構造の改善には、物流業界全体が協力し取り組むことが重要なのだと考えます。3PL企業だけでなく、荷主企業も当事者として関与し、サプライチェーン全体の効率化を図ることが求められます。しかし、冷静になってみると、本来サプライチェーンの効率化そのものは荷主にとってもメリットがあるのですから、強調して真剣に取り組むことにより、トラックドライバーの長時間労働問題も作業の効率化も同時に実現可能なのではないかと思います。

デジタルツールの導入支援を強化

赤澤氏

野村不動産は「テクラム」の枠組みで、テナント企業を対象としたデジタルツールの導入支援を強化しています。何か具体的な事例や成果は見えてきましたか。

宮地氏

テナント企業は倉庫業務の改善や効率化を目指し、デジタルツールの活用を積極化させ、倉庫の老朽化や人手不足に対応し得るソリューションをご用意しております。また、パートナー企業各社の連携を強化し、Techrumに来訪された企業様に向けて、物流施設全体の効率化の提案を強化しております。また、庫内作業の自動化や倉庫の最適配置や庫内作業の効率化・安全性・労務環境の見える化等の提案も行っています。

赤澤氏

LOGISTICS TODAYの最近の調査結果では、2024年問題を背景に効率化のニーズが高まっていることが強調されています。

宮地氏

効率化のニーズは24年問題以前からも増えており、今後さらに重要性が高まると考えています。特に、労働環境の改善や業務プロセスの効率化が求められています。我々としても、これに対応するための取り組みを強化しています。

赤澤氏

デベロッパーとしての役割が、単に物流スペースを提供するだけでなく、より幅広いものへと変わっていく可能性もありそうですね。

宮地氏

可能性はあると思います。効率化の支援がますます重要になるでしょう。当社の様なデベロッパーは、武器でもある資力を投入し、テナント企業の要望に応じて、物流施設自体をカスタマイズしいく様な取組も必要になってくると考えます。

物流業界の将来展望と持続可能な物流

赤澤氏

物流業界の将来についてどのように見ていますか?

宮地氏

今後も大きな成長が期待される分野です。しかし、効率化や労働環境の改善が課題となっています。我々デベロッパーとしては、これらの課題に対処するためのインフラを提供し、業界全体の発展に貢献したいと考えています。

赤澤氏

24年問題に対して野村不動産がどう向き合っていくのか、改めて整理してください。

宮地氏

物流施設の提供を中心に、自動化機器やデジタルツールの導入支援などを通じて待機時間の削減や業務効率化を図り、テナント企業様とともにトラックドライバーの労働環境を改善することが目標です。これにより、物流業界全体の持続可能な発展に寄与したいと考えています。

赤澤氏

それは非常に興味深いですね。デジタルツールの導入が、物流業界全体の効率化にどれほど寄与するかがよく分かります。特にTMS(Transportation Management System)やWMS(Warehouse Management System)のようなシステムは、今後さらに重要性が増していくでしょう。

宮地氏

そうですね。これらのツールは、物流業界において不可欠なものとなっています。さらに、AIやIoT技術を活用したスマート倉庫の実現も進んでいます。これにより、リアルタイムでのデータ分析や予測が可能となり、より効率的な物流オペレーションが実現すると考えられます。

赤澤氏

AIやIoT技術の導入も進んでいるのですね。スマート倉庫の実現は、物流業界にどのような変革をもたらすと考えていますか?

宮地氏

スマート倉庫の実現により、庫内作業の自動化が進み、ヒューマンエラーの削減や作業効率の向上が期待されます。また、リアルタイムでの在庫管理や需要予測が可能となるため、在庫の最適化や無駄の削減が図れます。これにより、物流全体の効率が飛躍的に向上し、コスト削減にもつながるのではないでしょうか。

赤澤氏

スマート倉庫の実現が、物流業界にとって大きな進歩となることがよく分かります。最後に、物流業界の将来について、野村不動産が掲げるビジョンをお聞かせください。

宮地氏

物流業界は今後も成長が期待される分野ですが、効率化と労働環境の改善が課題となっています。我々デベロッパーとしては、これらの課題に対処するためのインフラを提供し、業界全体の発展に貢献したいと考えています。さらに、持続可能な物流を目指し、環境負荷の軽減にも取り組んでいます。これからも、物流業界の未来を見据えた取り組みを続けていきたいと思います。

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