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真の地域連携が結実した、
Landport横浜杉田 竣工オープニングイベント

プロジェクト紹介

これからの新たな物流施設のあるべき姿を提示する最新大型物流施設「Landport横浜杉田」が完成し、4月18日に竣工記念式典が執り行われました。

<左から>五洋建設株式会社 代表取締役社長 清水琢三氏、株式会社IHI物流産業システム 代表取締役社長 川田基浩氏、野村不動産株式会社 取締役専務執行役員 黒川洋氏、横浜市金沢区 区長 齋藤真美奈氏、株式会社IHI 常務執行役員 二瓶清氏、横浜市金沢団地協同組合 理事長 榎本英雄氏、合同会社横浜旬・菜・果 代表 市原由貴子氏。

同施設は、野村不動産株式会社と株式会社IHIが共同開発。開発コンセプトに、ポスト2024年問題に対応する「オープン・シェア型物流施設」を掲げます。

オープン・シェア型物流施設が目指すのは、様々なリソースをオープンにし、利害関係者がつながり、シェアすることで、施設利用者や地域関係者が共に成長できる施設づくりであり、入居企業らが共同で利用する立体自動倉庫シェアリングサービスを通じても新たな関係の輪やつながりを創出し、地域に開かれた共創型の物流施設を目指すものです。施設内に自動倉庫をビルトインし、入居企業が必要なタイミングで必要な面積の自動倉庫を効率的に運用できる環境を整備。また、地域コミュニティ活動に積極的に参加し、雇用創出などの地域経済活性化にも取り組み、ハードとソフトの両面から社会課題解決を図ります。

オープニングイベントは、新しい物流施設に興味津々の地域住民の関心を集め、大いに賑わった。

通常は、施設関係者や建設、投資関係者、顧客のみのクローズドで開催されることの多い施設竣工式ですが、この日は竣工オープニングイベントとしてたくさんの地域の人々も訪れ、一緒に竣工を祝いました。誕生の瞬間から、まさにオープンな物流施設であることを明確にします。敷地面積7万1035平方メートル、延床面積16万3409平方メートルの地上4階建巨大施設の圧倒的存在感は、本来ならば地域にとって威圧的にも映るはず。しかし、この横浜杉田では少し様子が違うようです。

「地域と共に」想い託した、杉田梅の植樹式

Landport横浜杉田を他に類のない唯一無二の施設としているのは、“真“の地域連携を目指す取り組みです。特に地域ゆかりの「杉田梅」を、施設と地域を結ぶ象徴的な存在として積極的な保存と復興に取り組んでいます。

施設前に植えられた、地域連携のシンボルである杉田梅。

杉田梅は、日本古来の貴重な在来種で、横浜が誇る歴史的樹木です。江戸時代(元禄年間)には約3万6千本におよぶ梅林が生育していましたが塩害や老衰、宅地化などによって減少し、現在では地域内で僅かに残る程度となっています。

“真“の地域貢献を目指す野村不動産とIHIは、事業者自らが地域に飛び込んで地道な対話を行い、地域ニーズを吸い上げることで、オープンな物流施設の完成を目指しました。地域の杉田梅復興にかける想いを共有し、地元企業団体等の有志による「杉田梅まつり」に協賛するなどの支援を行なっています。また、施設自らが杉田梅の歴史文化の発信や樹木の保護活動に貢献できるよう、敷地広場への杉田梅の植樹を決めました。施設の完成を機に、杉田梅まつりへの協力だけではなく、地域と連携したイベントを自ら実施し、地域文化の伝承と、杉田梅の復興・保護活動に力を注ぎます。

植樹式で来賓者や事業関係者がスコップを手に臨んだ、記念すべき植樹の瞬間。

この日のイベントは、この杉田梅の植樹式で開幕しました。植樹式典には横浜市金沢区の齋藤真美奈区長や、横浜市金沢団地協同組合の榎本英雄理事長も参加、地域の行政や経済、マスコミ関係者たちが一堂に会して竣工を祝福。さらに、植樹式の様子を地域の人々が取り囲み、地域の後押しを受けた華々しい船出が実現しました。「幻の杉田梅林 賑い復興“梅のまち杉田” 実行委員会」の副会長で、横浜旬・彩・果の市原由貴子代表からは、これまで地域との連携に向けて準備を重ねてきた施設の取り組みを労うとともに、地域の子どもたちが「梅のまち杉田」を誇れるよう活動の継続に期待したいと挨拶。この日新たに植樹された杉田梅の成長に合わせて、施設と地域のつながりも益々強くなっていくのでしょう。

地域防災のシンボルとして、平時より呼びかけ続けることの意義

子どもから大人まで、たくさんの人々が参加。地域との共生を目指す次代の物流施設像を示すオープニングイベントになった。

敷地内には植樹式が行われた緑地のほか、地域開放型の憩いの広場「LandHOOP(ランドフープ)」も整備されました。この日のイベントでは、ランドフープを中心として、警察・消防車両や運送トラックなど「はたらくクルマ」が展示され、キッチンカーも出店。地域の人々が思い思いに楽しみました。

人々と地域がつながり、関係の輪を広げていくことへの想いを込めて生まれた、施設東側の広場「LandHOOP(ランドフープ)」。
屋上駐車場。津波発生時には、地域の人々1,000人を受け入れ可能な避難場所となる。

Landport横浜杉田は地域の防災拠点としても期待されています。物流施設がその強固な建物性能を活かして、地域の避難場所として協力するという活動はよく見かけるようになりました。ただ、“真“の地域連携を目指すLandport横浜杉田は、防災拠点としての機能をより広く知ってもらい、もしもの時にはスムーズに利用してもらえることまで平時より呼びかけ続けることにも力を注ぎます。地元の横浜市金沢区とは「津波発生時における施設等の提供協力等に関する協定書」を締結、収容人数1,000人想定の津波避難施設にも登録されていますが、地域の人々がそのことを知らないようでは、せっかくの避難施設としての機能を発揮することはできません。地域の人々を巻き込んだ防災イベントの定期開催などを通じて、エリアの心強い避難拠点としての認知拡大も重要な使命です。

救急車と消防隊員による展示では、子どもたちが防災体験を楽しみながら学ぶ機会が提供された。

この日、救急車やレスキュー車両、消防車の実物を間近で見た子どもたちは、万が一の時にはこの場所を目指せば、頼もしい消防士や警察官たちに出会えることを学ぶかもしれません。また、施設見学会、防災スタンプラリーに参加した人々は、免震構造を備えた施設の堅牢さと巨大さを目の当たりにして、自身の防災への備えも見直すきっかけとなったのではないでしょうか。いざという時に屋上避難場所へと向かう通路にもなるランプウェイの真下では、その巨大な建造物を見上げて感嘆する声も聞かれました。

また、この日はキッチンカーも出店してイベントを盛り上げるとともに、普段なかなか食べる機会のない防災食も提供されました。実際に防災食のおいしさを知ってもらうことで、自宅の防災装備の再点検を訴えます。単発ではなく定期的な防災イベントの開催を続けていくこと、また、施設を地域の憩いの場として馴染んでいくことが、地域連携拠点・防災拠点を目指すLandport横浜杉田の確立へと一歩近づくことになるのではないでしょうか。

防災啓発として災害時に活用される「レスキューキッチンカー」も並び、地域の人々は楽しみながら、避難活動への理解を深めた。

人々の笑顔が主役になる、“真“の地域連携が実現

これだけの巨大施設に先進的なコンセプトを組み込んだLandport横浜杉田の竣工までには、関係者の並々ならぬ努力が必要だったことは想像に難くありません。それでもその竣工記念式の本当の主役となったのは、イベントに訪れた子どもたち、地域の人たちの笑顔だったように感じます。

この日は普段は見ることのできない物流施設の見学ツアーも実施。広大なスペースを目の当たりにすることで、物流業務への理解も深まったのではないだろうか。

この日の1,116人という総来場者数は、地域の期待の大きさの表れです。地域とつながるオープン・シェア型施設に触れて、人々の従来からの物流倉庫へのイメージも変化したのではないでしょうか。社会生活に欠かすことのできないインフラであるとともに、地域に欠かせない親しみのある施設として「これからよろしくお願いします」、そんな柔らかなメッセージが発信されたイベントだったように感じます。

施設関係者は、「万が一のときには、あの杉田梅を植樹した施設に行けばいいと気づいてほしい」と語ってくれました。杉田梅が少しずつ大きくなり、やがて実をつけるように、施設の地域連携の取り組みも歳を重ねるごとに深みを増し、ポスト2024年のあるべき物流施設の形として結実し、社会の物流理解を育むのです。

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