Landport柏II
──物流再編を加速させる、柏IC至近のフラッグシップ施設
都心への配送から、首都圏や関東エリアの広域配送まで、近年の物流編成での最重要課題に対応できる物流適地の1つが、柏市エリアです。Landport柏IIは、そんな物流の要衝で2026年7月中旬の竣工を目指し、開発が続けられています。今回、このLandport柏IIを担当する二人の担当者、野村不動産株式会社 都市開発第二事業本部 物流営業部 営業二課の片倉壮主任と髙橋亜衣氏から、この施設の特色を聞くことができました。
「常磐自動車道・柏インターチェンジ(IC)まで約1.4kmと至近。国道16号線の利用と合わせて、都心まで30km、さらに首都圏・関東を網羅する物流が編成できる拠点です」(片倉氏)。施設に接続する前面道路は幅員22mの区画道路で、歩行者の安全を確保しながらのスムーズな入出庫が可能です。隣接地には、Landport柏Iがすでに24年から満床稼働しており、その成功こそが柏IIのポテンシャルの高さの証明ともいえます。
「立地の強みはもちろん最大のポイントですが、この重要エリアで供給される最新施設として、野村不動産のこれまでの経験を取り入れた、グレードの高い物流実現の場として、設備や仕様にもこだわったのがLandport柏IIです」(片倉氏)
多様なフロア構成で物流戦略に応える柔軟性
敷地面積は44,673.76㎡(13,513.81坪)※、延床面積は110,771.62㎡(33,508.42坪)※。建物は6階建ての規模に、ダブルランプウェイを採用し、Landportシリーズのフラッグシップに位置付けられ、「機動力の高さと、保管能力を高いレベルで兼ね備えて、業種や業態を問わず、多様なニーズに対応できる設計です」(片倉氏) (※;変更の可能性あり)
使い勝手のよい汎用性を重視したフロアのほかに、それぞれの用途に応じた運用アイデアが広がるエリアも用意、汎用性・運用面など多様な使い方が実現可能な空間構成も特色です。
「1階フロアは両面バースで、両面合計で46台分のトラックバースを備えます。通過型に特化したスピードを重視した物流対応が想定できます。一方、2階から6階にはそれぞれ、ランプウェイから直接接車できる20台分の片面バースを整備。なかでも最上階の6階部分は、柱を少なくしてより広い空間での運用が実現できる開放的な空間としました。2階から5階までの標準的な利用のほかに、それぞれの運用戦略に応じた使い方を検討していただける施設になっています」(片倉氏)
また、1階のバースは駐車場としての使用も可能で、駐車場を備えた事業所運用も想定できます。さらに1階部分のみ梁下有効高も6.5mを確保し、庫内の追加造作などでも十分なスペースを確保できる仕様です。両面バース、あるいは片面バースと保管スペースの両立、広い空間活用にこだわるか、駐車場利用可の利点を活かすかなど、必要な機能に応じてフロアごとの特色を活かした拠点構築が実現でき、まさに戦略拠点となりうる施設となりました。
・雇用確保に優れた地域環境、免震構造による安心安全な施設運用
建物構造に免震機能を採用したのも柏IIの特徴です。「地震の揺れを最小限に抑える免震構造で、より安全・安心な施設として運用できるのがLandport柏IIの強みです。停電発生時から72時間の運転が可能な非常用発電機も備え、災害や停電といった非常事態でも事業継続を支援します」(髙橋氏)。この国においては、地震などの災害への備えはもとより当然、より高いレベルの安全性能が求められています。保管品や自動倉庫など設備の影響を最小に抑えることは、事業を守り、従業員の命を守る「本気度」が示されるところです。強靭なレジリエンス性能は、施設の従業員とその家族の安心にも役立つ万全の備えといえるでしょう。
また、雇用確保の優位性においても高いポテンシャルを誇ります。施設の半径3kmの労働人口は、約6.1万人と、豊富な人材の活用が期待できるエリア。同様の条件で、近隣の大型物流施設の開発地、流山市森のロジスティクスパークや野田市桐ヶ作エリアと比較しても多い労働人口は、物流現場運用の最大の課題解決の糸口となります。「免震構造を備えた最新施設としての安全・安心は、エリアが重複する流山市などからの雇用流入も後押しするのではないでしょうか」(髙橋氏)。さらに、人口増加が続くつくばエクスプレス(TX)沿線、TX柏の葉キャンパス駅からのシャトルバス運行も調整中で、エリア最上級の安全性を誇る施設へ、通勤しやすい環境も整えられていきます。施設内には2か所のカフェテリアに加え、無人コンビニも設置予定で、働きやすい環境作りの実現を目指しています。
次世代物流の基盤となる特高受電、キュービクル容量
さらに、Landport柏IIならではの特色といえるのが、4,000kWまで受電可能な特別高圧電力での引き込みを計画していること。施設運用では、より先進的な自動化機器、複数マテハンや自動倉庫導入も一般化していますが、この施設ではそうした自動化・機械化運用に向けて必要な電力使用を前提とした物流計画を構築することが可能です。全館空調相当のキュービクルも用意し、マテハン設備や温度帯設備、空調設備などにも対応可能な電気容量の確保が可能となります。「すでにLandport柏Iが稼働していることで、そこでの実績などもこの施設の必要電力量の参考値として取り入れることができました。全館空調相当というキュービクル容量は、これまでの一般的な施設の3倍を想定。昨今の異常な暑さなどでも、快適な作業環境作りをサポートできるものです。新たな物流構造だけではなく、社会や自然環境の変化にも対応できるような、働きやすい施設を目指しました。」(髙橋氏)
野村不動産では、機械化・省人化を後押しする企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」を展開し、庫内自動化、ロボティクスやデータ活用など多彩なソリューションと連携した庫内最適化をサポートしています。Landport柏IIの特別高圧電力受電体制は、まさにこうしたテクラムソリューションの実装にも役立つ仕様。自動化・効率化で他社と差別化する、そんな物流の再編を考えている事業者にとっては、まさにその計画を実現するための舞台となり得る施設と言えるでしょう。
・「木かげと風」のコンセプトが形づくり、成長する“森の物流拠点”
豊かな森林が育まれた里山が、土地区画整理事業でLandportとして生まれ変わるにあたっては、「里山の森林」としての自然的要素を大切にする計画が進められました。既存の柏Iでは「木漏れ日と空」、そして新しく柏IIでは「木かげと風」を内装コンセプトとして、森林ならではの落ち着いた質感と光、風が吹きぬけるような心地よい空間をイメージしています。
この施設の建築・デザインに携わる都市開発第二事業本部 建築部 推進一課の髙木玲那氏は、「敷地外構ではかつての森林エリアに植樹をしたり、共有部では自然の要素を意匠的に引込む工夫等を通して、隣接する里山の森林に敬意をはらいました。」と語ります。物流施設といえば、周囲から切り離された閉ざされた施設と見られがちですが、柏IIは里山の森林としての土地の記憶と途切れることのない建物として、地域の風景に溶け込もうという姿勢が示されています。
2026年の竣工段階と、10年後・20年後では施設のイメージもすっかり変わってしまうのかもしれません。「建物が出来上がっても、それはまだ完成ではありません。森の成長を見守りながら、ともに成長していく施設が、Landport柏IIなのです」と髙木氏はいいます。まさに、これからの事業成長と環境経営を目指す事業者にとっては、格好の環境といえるのではないでしょうか。
なお、8月26日、27日には、柏IIと同じく柏ICを起点とする最新物流施設、Landport野田との合同プロジェクト発表会の開催が予定されています。それぞれに特色の違う2つのLandport施設を、一度に確認できる機会で、具体的な物流再編をイメージするのも良いのではないでしょうか。
「Landport柏II」物件概要
竣工:2026年7月中旬予定
所在地:千葉県柏市インター西土地計画事業8街区2画他
形状:地上6階建、Wランプ型、免震
延床面積:110,771.62㎡(33,508.42坪)予定
アクセス:常磐自動車道「柏IC」約1.4km
駐車場台数:乗用車21台、トラック待機8台、
◾️「Landport野田」「Landport柏II」合同プロジェクト発表会 開催概要
日時:8月26日(火)・27日(水) 各日10:00~/14:00~(2時間想定)
会場:柏の葉カンファレンスセンター(柏の葉キャンパス駅)
※建設現地見学ツアーも同時開催
参加費:無料(要事前登録)
申込締切:各開催前日
(問い合わせ)
野村不動産 都市開発第二事業本部 物流事業部
TEL:03-3348-8154