~国際物流総合展2025が、出張版Techrum Hubに~
野村不動産の目指すべき未来、
INNOVATION EXPO最大のブースに集約
野村不動産が「国際物流総合展2025 第4回INNOVATION EXPO」に出展します。
「INNOVATION EXPO」は東京ビッグサイト(東京都江東区)で9月10日(水)から12日(金)の3日間にわたって開催される国内最大級の物流専門展示会です。今回は「物流を止めない。社会を動かす。」がテーマ。
野村不動産のブースは、野村不動産を旗振り役としてTechrumパートナー企業18社(7月時点)が共同で出展。野村不動産とTechrumパートナー企業が見据える「物流の未来が体感できるブース」になります。
今回、展示会の準備真っ只中の3人、都市開発第二事業本部から物流事業部事業企画課の山崎陽世里氏、物流営業部ソリューション企画課の朝倉南氏、物流事業部事業企画課の新入社員、山田千夏氏から話を聞くことができました。
物流の未来を丸ごと展示
「今回展示会でお見せしたいのは、野村不動産が見据えている物流の未来。Landport(ランドポート)の最新情報はもちろん、倉庫内における全ての工程の連携・効率化にも積極的な提案を行っていく、私たちの姿勢を体現したブースとする予定です。
裏テーマは『未来の物流倉庫 Landport有明、期間限定でビッグサイトに現る!?』です(笑)ここに来たら物流の未来がわかる、そんなブースにしたいと考えています。」(山崎氏)
出展の目玉となるのは、Techrumパートナー企業の機器やシステムを連携させたデモンストレーションです。現場効率化のためのDXに向けて、ハードやソフトなど多様なアイデアや活動を持ち寄り、より有効な連携を具体化する取り組みを、展示会ブースでも再現します。
昨年度の出展でも、物流の一部工程に限ったマテハン連携を公開しましたが、それはあくまでもテクラムが伝えたいことの一端に過ぎません。「今回の出展では、入荷から出荷まで、まさに物流作業工程の全域にわたるソリューション連携を実際に見ていただけます」(朝倉氏)。
「Techrum」(テクラム)は、同社が展開するソリューションやマテハンなどを手がける企業同士による共創コンソーシアム。
テクラムに参加するパートナー企業数は現時点(7月)で116社に膨らみました。今回、出展に参加するパートナー企業も16社と、昨年の11社から増加しており、より多様な工程や課題解決のための提案が可能になっています。「来場された方々には、トラックがバースに着いた段階から順を追って、ソリューションが連携して各工程を繋ぎ、効率化する様子を体感できるように工夫しています。テクラムの実証と体験のための施設『習志野 Techrum Hub』のコンセプトを、そのまま展示会に持ち込みます。出張版Techrum Hubだと思っていただければ。」(朝倉氏)
Techrum Hub再現のために確保したブースのスペースは、810平方メートル・90小間の広さ。昨年度の3倍規模の出展は、もちろん同社にとっても最大規模、今展示会の中でもずば抜けた広さという力の入れようです。
機器が「つながる」デモを通して、課題や方向性もより明確に見えてくる
さて、この出張版Techrum Hubには、どんなソリューションが集結し、どんな連携を見せてくれるのでしょうか。
まずトラックからの荷下ろし工程を見せる「入荷ゾーン」では、実際にトラックを設置。日本フルハーフ株式会社とシンフォニアテクノロジー株式会社が開発を進める自動開閉ウイング付コンテナを初お披露目します。バース接車や、フォークリフトとの連携に合わせて、将来的にはドライバーの作業を必要とせずに荷室を開放できるシステムとして、自動運転トラックの活用などへと成長することが期待されます。バース領域の効率化を先導する株式会社Hacobuも参加し、荷待ち・荷役時間削減の具体的なアクションがイメージできます。
トラック荷台からの「荷下ろし」は、株式会社APTの自動フォークリフト(AGF)連携システムが担います。AGF車体、無人・自動で正確に荷物を下ろし、次工程へと引き継ぐ様子を実演します。
AGFはそのまま「搬送」を請け負い、デパレタイズ工程へと荷物を引き渡します。引き継ぐのはYUSHIN(ユーシン)株式会社のデパレタイジング・ロボットPA-20。協働型のデパレタイジング・ツールとは一線を画し、人の手を介する事なく、パレット単位から箱単位に荷物を整理して、次の工程へ引き継ぎます。最後にこの箱を引き受けるのが、株式会社トーモクの自動開梱機ABOT。箱の天面を自動でカットし、安全かつ正確な商品単位の管理・保管へと移行できます。
「ここまで入荷~搬送~デパレタイジング~開梱までの工程が繋がりながら、その全てを自動化・無人化できることを実演で示します。物流の流れも、ぶつ切りの紹介ではなく一連の流れとして実演できるので、自社現場の見直しなどにも役立つのではないでしょうか」(朝倉氏)
そのほかにも、「保管ゾーン」では東芝インフラシステムズ株式会社の棚搬送GTP(Goods to Person)システムと、高密度保管ラックとAGVが連携するブリッジタウン・エンジニアリング株式会社のオムニフローが並んで展示されます。また、「仕分けゾーン」では、自動仕分けロボ・オムニソーターと、人による仕分け作業の効率化とミス削減を両立した株式会社タクテックのGAS(Gate Assort System)が隣り合わせで紹介されるレイアウトです。朝倉氏は、「保管する商材の数量、保管スペースの特性によって、最適な保管とピッキングの自動化は違うはず。また、仕分け工程も、その企業ごとの商品特性や必要な処理能力によって、正解はそれぞれです。ソリューション選びは、しっかりと比較検証することが大切ですが、私たちのブースならば、まずは来ていただくだけで、こんなやり方もあったのかという気づきも得られるはずです」と、レイアウトの意図を説明します。
テクラム展示では、仕分けのその先として伊藤忠紙パルプ株式会社の袋梱包機も設置、出荷までいかに効率化できるか、今それぞれの工程で見直すべきことは何かも見えてきます。
そのほか、日建リース工業株式会社のパレットシャトル自動倉庫や、株式会社アスタリスクの大量コード一括読み取りシステムによる検品効率化なども紹介。さらに、株式会社コマースロボティクスの倉庫管理システム・WMSや、株式会社ゼネテックの自動化機器導入効果を事前にシミュレーションするツールなども展示。展示会では伝わりにくいソフトウェアも、実際にマテハン機器の実演や高度な連携を見ることが、自社運用見直しの気付きになります。
・未来へつながるシステムと人、大規模ブースですべてを見せる
朝倉氏は、「まずは、展示会に来ていただき、気付きがあった方には、ぜひ習志野 Techrum Hubのデモ会にも参加してもらいたいです。展示会がテクラムのソリューション導入や、テクラム参加を希望するパートナー企業拡大のきっかけになれば」といいます。
また、山崎氏は、「参加パートナー企業をくまなく訪ねてもらえるように、ブース内スタンプラリーも実施する予定なので、ぜひ気軽に足を運んでください。また、これをきっかけに、これまで取り組んできた『物流議論』などのイベントにも参加してもらうことで、私たちが目指す物流の未来を伝えていきたい」と呼びかけます。巨大ブースは東4ホールの入り口スペースに確保しているので、待ち合わせ場所や展示会の概要を把握する起点にしても良いのではと提案します。
今年の新入社員、山田氏にとっては、これが人生初めての物流展示会となります。まだまだ物流について勉強中としながらも、「より一般の人、外部の人に近い視線で提案できることが役割だと考えています。野村不動産の取り組みはもちろん、参加パートナー企業の方々をしっかりとアピールできるような展示、紹介を作り上げていきたい」といいます。来場者としっかりと対話するのも、今回が初体験となりますが、「たくさんの方に声をかけてもらうのが楽しみです」(山田氏)と頼もしく答えてくれました。
新たなコンセプトムービーなども初公開し、野村不動産の多彩な活動が未来にどう繋がっていくのかを指し示す展示会では、今回の3人をはじめとした、未来を支える人材たちが活躍していることにも気付かされるのではないでしょうか。